横浜ウォーター株式会社(本社:横浜市中区相生町 6-113、代表取締役:本間德也)は、2024年9月30日付で、独立行政法人国際協力機構(JICA)が実施する技術協力プロジェクト「フィリピン国下水道整備のための包括的マスタープラン策定プロジェクト」を受託しました。
【事業の概要】
フィリピン国第2の都市圏であるメトロセブ(i)においては、下水道が整備されておらず、家庭や事業所からの排水はごく一部を除き、腐敗槽(ii)を使用しています。しかし、腐敗槽汚泥は適切に処理されていない事例も多く、水環境の水質汚濁や水系感染症が多く確認されています。
汚水処理の短期的対応として腐敗槽汚泥処理について、当地で水道事業を展開するメトロセブ水道区(iii)(Metropolitan Cebu Water District = MCWD)では、横浜市と連携したJICAによる自治体連携無償資金協力「メトロセブ水道区汚泥管理計画」を2023年より実施しており、当社もそのコンサルタント業務に参画しております。
本プロジェクトは、中長期的な目標としている下水道整備について、汚水の集中型及び分散型処理並びに腐敗槽汚泥処理を含めた下水道整備のための包括的マスタープラン(包括的 M/P)の策定、下水道整備事業のための資金調達手法の提案及び優先プロジェクトのプレ・フィージビリティ調査(Pre-F/S)を行うことにより、同地域の衛生改善及び水質汚濁対策に寄与するものです。
1.活動期間:2024年9月~2027年11月
2.参加企業:日本工営株式会社(代表者)
横浜ウォーター株式会社(構成員)
八千代エンジニヤリング株式会社(構成員)
3.主な活動内容:
(1) 包括的 M/P 策定のための必要な基礎情報の整理
(2) 汚水の集中型及び分散型処理並びに腐敗槽汚泥処理を含めた包括的 M/P の策定
(3) 包括的 M/P で選定された優先プロジェクトの資金調達手法の提示
(4) 包括的 M/P で選定された優先プロジェクトの Pre-F/S の実施
(5) MCWD の汚水管理に係る計画策定能力の強化
当社は、自治体の有する上下水道事業ノウハウを活かして、国内外への技術協力等を通じて事業運営に貢献するとともに、持続性の高い上下水道事業運営や官民連携事業の創出を追求して参ります。
以上
本件に関するお問い合わせ:toiawase@yokohamawater.co.jp
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(i) フィリピン共和国中部に位置し、セブ州のうちセブ市を含む7市6町から構成され、人口約317万人(2020年フィリピン統計庁(PSA)調査)
(ii) 途上国で用いられることの多い汚水処理施設。セプティックタンクとも呼ばれ、各戸に設置される。水洗トイレからの汚水を槽内に貯留させて、沈殿分離及び嫌気性微生物により処理を行う。流出水は道路側溝などに排出される。腐敗槽に堆積した汚泥は定期的に引抜く必要がある。
(iii) フィリピン国では水道区は給水サービスを提供する水道事業体を示す。水道区は給水サービスを提供する区域内においては下水道事業及び腐敗槽汚泥管理事業を実施することができる。